ゆっくり監督ギラヴァンツPの徒然にっき。

ぎらりょうの楽屋にっき。

ニコニコ動画で投稿中、【ゆっくり監督はギラヴァンツを有名にしたい】の投稿者が動画作成の裏話から好きな話まで何でも徒然なときに綴ります。

【感想文第12回】めでたしめでたし。から始まる追憶と未来への旅。『葬送のフリーレン(シーズン1)』の感想を語りたい。【途中からネタバレあり】

こんにちは、ぎらりょうです。

気づいたら2026年です。
まるでエルフになったかのような時間間隔……
あっ、エルフといえば『江戸前エルフ』を筆頭に長寿ゆえ様々な出会いと別れの物語が紡がれる存在ですね。
(よし、自然な導入になったな)

そんな存在を全面に出し、そのうえで「冒険が終わったエンディング」が物語のスタートとなる、近年稀に見る傑作が『葬送のフリーレン』。

 

frieren-anime.jp


まるで今回初めて紹介するような始まりですが、普通に以前の記事で言及しております。

 

とはいえ上記の記事はネタバレ無しの紹介記事。
今回はまもなくシーズン2が放送されることもあり、シーズン1のことをネタバレありで振り返りたいなと思って書き始めました。

この記事にたどり着いてまだ見ていない、って方はなかなかいないかもですが、もし見ていないのであればぜひ見てほしい。
物語・映像・音楽すべてのクオリティが高く、1話1話があっという間に終わり、そして満足度も高い。
たった10分しかでていない登場人物に心を奪われ、そのセリフに涙する。
本当にあらゆる意味で素晴らしい作品です。

シーズン1で計28話というボリュームで敬遠されるかもしれないですが、まずは騙されたと思って1話だけ見てみませんか?
その1話で心が動く感覚があればもう大丈夫です。
ぼくはこのあとのネタバレ解禁コーナーで待ってますね。


それでは前座もそろそろおしまい。
以降はネタバレありなのでご注意ください。

 

 

 

 

 



 

 

 

 

 

ハイターが出るたび涙が出ちゃうのは僕だけではないですよね?
東地宏樹さんの声がさぁ……めっちゃいいんだよね……
いや出てくる人みんな良すぎて甲乙つけがたいんだけど、それでもハイターは本当に特別。

そのうえで、やっぱりヒンメルのセリフは心をじんわり温めてくれるんですよ。
ヒンメルの声が聞こえるだけで「あっ、そろそろ涙が出るぞ!ハンカチもってこい!」って脳が警報を出しますからね。

そして口数は少ないけれども出てくるとこれまたじんわりする感覚が心に広がるのがアイゼン。
口数は少ない、だからこそ、出てくる言葉に心のうるっとする部分を貫かれる。
無骨なドワーフだけどお花畑でハイターとキャッキャッする感覚も持ち合わせている深みのあるキャラクターなのも味。
カンネとラヴィーネだったらお花畑でも取っ組み合いのケンカをするからね。

そんな冒険メンバーと主人公のエルフ、フリーレンの旅が1話開始数分で終了。
ぎらりょうさんはたまたま類似の始まり方をする作品(えんどろ~)を見てたから「おお、こういう方向なのか」くらいでしたけど、こういう物語が初めての人にとってはあまりにも完成度の高い作品で本当に幸運だと思います。(えんどろ~も良かったから時間があれば見てみてね)

そこからEvan Call氏の美しさと物悲しさを備えるBGMをバックに、仲間たちと別れたフリーレンの旅が流れますが、ここのシーンの時間経過の描写が絶妙。
初見のときは気づいていなかったですが、ここのシーンだけで実は数十年経っていることが分かるようになってるんですよね。
そのシーン終わりに出てくる魔法関連の商店の店員が、この時間経過シーンで若い姿で出ているように見受けられるんですよ。
全体もですが、細部にもこだわりや意図が感じられるからこそ、1話毎の満足度が高くなるんでしょうね。

この時間経過シーンが終わり、ヒンメルと再会するフリーレン……
ですが、ヒンメルは年老いた姿で登場。
それでも声だけでヒンメルと気づくフリーレン、のちのフォルじいエピソードを踏まえるとずっと忘れていなかったんでしょうね。
まだ(エルフとしては)若いから、かもしれないけど。

このシーン、老いぼれて髪の毛もなくなってちっちゃくなっても、ヒンメルはヒンメルだなぁという台詞回しがすごく良くて、何回か見てるうちにここでもう涙が出てきちゃうんですよね、感受性豊かだから(すぐ泣く免罪符じゃないぞ)
ここは台詞回しももちろんですが、岡本信彦さんの演技がまたいいんですよ。
声の出し方は老人ですが、それでも「あのヒンメルだ」とすぐに感じさせる声で。

というかですね、ここからエーラ流星までのシーンの老ヒンメルの声演技が本当に良くってぇ……
ゆっくりだけど、ひとことひとことがもうずっと心に響いてぼろぼろ涙が出るんですよ。
特に勇者パーティーが再結成し、エーラ流星が綺麗に見れる場所に向かうまでの旅路の心の声がぁ……(書きながら涙が出ている)
これはもう本当に言葉でいうよりも見るほうが早いです。
最後の「綺麗だ……」というセリフは必聴。

老ヒンメルの声だけでもたっぷりですが、このシーンが凄いなと思ったのが、この作品が始まってまだ10分少々という時間なのに、もうこの旅路を見ながら胸が苦しくなるんですよ。
ヒンメルとハイターにとっては最期の冒険なのだろうということが伝わることはもちろんなんですが、たったこれだけの時間でこのパーティーみんなのことを好きにさせてくれたことに、本当に驚きました。

いわゆる「思い出ボム」と言われる、これまでのストーリーを踏まえた回想シーンというものは古今東西さまざまな作品で使われる手法ですが、普通はその瞬間の爆発力を高めるために12話作品の11話とか最終回のように、そこまでのつながりを見ているからこそ心に刺さる演出となっているものなんです。
それをこの作品では、この類似思い出ボム(ヒンメルによる独白)を10分少々で出すんです。
そしてそれを聞いて心が動かされるんです。
本当に凄い。

ということを書きながら気づいたんですけど、これそのまんまフリーレンの体験なんですよね。
数千年を生きるエルフにとって、人と過ごした10年の旅路など短い間なんです。
でも、そのあっという間の10年が、フリーレンに大きな変化を与えた。
どこまで意図したものかは分かりませんが、僕はまさにこのフリーレンの気持ちを味わってもらうために、制作陣が意図して作ったものなんだと思ってます。
だって、そのほうが素敵ですからね。

そして、そんな流星の最期の煌めきのような旅が終わり、次のシーンは誰も街を歩いていないカットから。
男声のコーラスから入る『Farewell, My Friend』という曲の始まりとともに、大英雄ヒンメルの葬式へ。
ここも凄いんですよね。
流星群のシーンのヒンメルのセリフ、最期の煌めきを放つ流星、そして上記のカットとBGMの始まりの音で「大きな存在がこの世を去った」ことを端的に、そして明確に描いている。

参列しても「この気持ちは何なのか」がまだ掴めていないフリーレンが、ついに「喪失」に気づいた瞬間、カットが変わり鐘の音が響く。
ここも短い時間に様々な意味を込めてあり、それをセリフではなく「絵」と「間」で見せる技がまさに「アニメでやる」意味を感じる素晴らしいシーンでした。
この鐘の音がカット切り替わりにすぐ鳴るんじゃなく、少し間を開けて鳴るのも、言語化が難しいんですが、すごく心に残る演出でしたね。
この後のフリーレンのシーンでの土を掘り、棺にかける音だけが響くという、葬式シーンとの対比もよかった。

ヒンメルとの別れが終わり、残った3人の解散シーン。
見返すうちにこのシーンでもポロッとするようになったんですけど、ハイターの「それでは、お先に。」というセリフが反則なんですよ。
単純な別れのあいさつ以外にも「今生の別れ」を含めた言い方、直前まで明るいトーンで笑っていたのに、この一言だけ声が低くなる東地宏樹さんの演技も含め、ここも1話屈指の名シーンだと思います。

そしてアイゼンとも別れ、ひとり旅にでるフリーレンの姿を写し「第1話 冒険の終わり」の終わり。
地上波放送は金曜ロードショー枠でやるという力の入れようだったんでこの後も続きますが、このエンドタイトルが出る時間は18分55秒。
20分も経っていないのに、勇者パーティーへの愛着と別れの寂しさを感じさせてくれる異次元のスタートでした。


なんとですね、1話を語るだけで2000文字超えてます。
このままだとシーズン1を振り返るだけでも論文が複数できる文量になっちゃいます。
が、正直1話はまだ語れる。
なんならここからハイターのエピソードなのでもっと語れる。
んですが、流石にまた後で書きます。
だって他にも語りたいことがいっぱいなんで。

閑話休題、この作品の魅力って、まず第一に思い浮かぶのはこの1話のような暖かく、繊細で、それでいて説教臭くない話の良さにあると思ってます。
毎話心が動かされ、そして暖かくなる話を安定して出せるのが本当に凄いなと思うんですよね。
Evan Call氏つながりで『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』を彷彿とさせます。
ネトフリは早急にヴァイオレット・エヴァーガーデンを解放しろ。

でも、それだけじゃない。
それがよく分かるのがアニメ3話。
はい、クヴァールの回です。

この回の白眉なところとして、話の展開と登場人物の格、そして「なぜ主人公が勝てたのか」という組み立てが匠の技なんですよね。
あの勇者パーティーですら封印するのがやっと、勝つことのできなかったクヴァールを今度は封印が解ける前に封印解除して討伐するというのがこの話。

戦闘シーンまでの間でクヴァールのあまりにも大きい脅威感を歴史に絡め高めていったうえでの、封印解除後の初撃を受けたフェルンがこぼす「これは、一般攻撃魔法です。」という種明かし。
数十年という時間と勤勉な人間の研究がもたらした、当時の画期的な技術の一般化。
まさに時間スケールが長いこの作品だからこそできるロジックで、感動的な話だけでなくこういった話も書けるのか!という驚きを初見時は受けました。

ただ、ここで終わらないのが白眉たる所以。
初撃への対応を見ただけで、現代魔術の分析を終え次の手をさっそく繰り出してくるクヴァール。
自分が持つ必殺技がただの一般攻撃に成り下がっていたらそこで混乱して倒されるってのが普通の作品ですし、それでも十分な描写だと思うんですよ。
なのにこの作品ではそこで終わらせず、あっという間に対策まで立ててくるんです。
このことで、たった1話のたった数分でやられる敵役にも関わらず、あまりにも強大な敵としての格をまったく落とさないという素晴らしい話の組み立てに、1創作者でもあるのでめっちゃ感動してました。

そんなクヴァールに対し、当時はなかった空を飛べる魔法とクヴァールが生み出したゾルトラークで決着をつけるフリーレン。
ここもめっちゃ考えてあって、当時はなかった魔法を使うことでその思考を少しでも奪い、クヴァール自身が生み出したゾルトラークを、当時以上の威力に仕立てたうえで攻撃に使うことで千載一遇の好機を作り出し、勝つという結末。
クヴァールに少しでも猶予を与えてしまうと、数十年の研究にどんどん追いついてくる。
まさにそれを描写したうえで、対応できる方法としては「少しでも早く、1発で沈める」という戦術。

ハートフルな話だけでなく、バトルものとしての話の描き方もめちゃくちゃ上手いと分かるこの4話は、『葬送のフリーレン』という作品のもう一つの魅力が存分に伝わる回だと思います。

この辺の格の描写はシュタルクを恐れる紅鏡竜や、リュグナーがフリーレン以外の誰も見ない=他はすべて脅威だと思っていない、というロジックにも現れており、作者は何食ったらハートフルな話とバトルの話をここまでうまく書けるんだ……ともはや恐怖、手が震えちゃう。

そのうえでこの両方を存分に活かすエピソードとしての1級魔法使い試験編、なんと超魅力的なキャラクターを量産できるということまで分かるので本当にバケモンだバケモン。

だいぶ筆というかキーボードを叩く手が乗ってきてるんですが、なんと現在時刻は2026年1月16日の23:17。
はい、あと10分少々でシーズン2が始まります。
なので一旦ここまでで記事としては公開します、が、すぐに追記します。
だってまだみんなの保護者ザインさんのこととか子安エルフとかもう付き合っちゃえよ!とかの話にまったく触れられてないので。

なのでまた更新したらお知らせするんで、みんなもまた見に来てね!

※追記1(編集日時 2026年1月16日23時34分)
あれ
地上波放送23時ピッタリからだっけ
(サイトを見る)
……ピッタリからだったなぁ……

※サムネ画像:© 山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会