ゆっくり監督ギラヴァンツPの徒然にっき。

ぎらりょうの楽屋にっき。

ニコニコ動画で投稿中、【ゆっくり監督はギラヴァンツを有名にしたい】の投稿者が動画作成の裏話から好きな話まで何でも徒然なときに綴ります。

【感想文第7回】ミュージカルとファンタジーの素晴らしいマリアージュ、「ヒーラー・ガール」の感想を語りたい。【途中からネタバレあり】

皆様、大変お久しぶりです。

見終わったアニメの感想文を書いていたぎらりょうです。

 

いやー、しばらく書けない時期が続いていましたが、その間に色々と作品を見たことで感想文を書きたい!というモチベーションを高め続けていました。

そして、この作品を見たことでいよいよそのモチベーションが満タンになり、久しぶりに筆を(筆?)を取ることに決めたわけでございます。

 

その作品が、『ヒーラー・ガール』。

healer-girl.jp

原作なしのオリジナルアニメという、当たるも八卦当たらぬも八卦、事前PVなどの情報で面白さを予想するという最近競馬にハマってきたぎらりょうにとってヒリヒリする種類のアニメです。

 

が、そのヒリヒリ感はOPを聞いて一発で弾け飛びました。

まずは聞いて、聞け(豹変)。

www.youtube.com

この壮大な曲調に一発で心を奪われました。

いやまあ知ったのはOPの一部シーンからですが、その印象が一発で吹っ飛ぶ素晴らしい曲のおかげでこのアニメを見よう、と心が決まったのです。

ちなみにこの事象は2度目でして、1度目は『少女歌劇レヴュースタァライト』でした。

www.giraryo.com

今思えばスタァライトもミュージカル形式の物語で、このヒーラー・ガールもミュージカルがメインの作品でした。

 

ちなみにヒーラー・ガール音楽の作曲をしている高橋諒さん、最近ぎらりょうがハマった作品でも音楽を作っていました。

その作品は『アイの歌声を聴かせて』。

これも2時間の映画枠でSF×ミュージカルを書ききった名作なのです。

 

ここまで見ればお分かりかと思いますが、『少女歌劇レヴュースタァライト』や『アイの歌声を聴かせて』のようなミュージカルが入ったアニメが好きであれば、この作品はまあ間違いないと思います。

 

長々なぜ見始めたか、ということを書いたところでそろそろあらすじをば。

『ヒーラー・ガール』は「歌で治療を行うことが科学的に証明されている現代世界」という舞台設定のお話です。

ここのバランスで好きなのは「西洋医学東洋医学に続く”第三の医学”」という立ち位置という設定。

現代世界で全てが歌声で解決できる、という世界にもしていいはずなのに、あえて現実の医療の”次に”実用化されている世界、という設定が今考えると世界観に対して本当にいいバランスを与えていたと思います。

 

メインキャラクターは「ヒーラー」という職業を目指し、師匠の下で修行を行う高校1年生の「かな」「玲美」「響」の3人。

それぞれ異なる背景からヒーラーを目指すことになった3人。

この3人の、ヒーラーになることだけではない成長物語も本作の魅力。



そして”歌”という題材に合ったミュージカルアニメ。

ミュージカルという分野、ぶっちゃけアニメだと苦手な人が多い分類だったんですが、それこそ前述の『少女歌劇レヴュースタァライト』や『アイの歌声を聴かせて』、自分は見れてないですが『シンフォギア』などの作品が段々とこの分野の裾野を広げてきた結果、この作品が生まれてきてくれたのかなと思います。

それを支える超高クオリティの音楽たち。

この音楽たちを聴くだけでもこのアニメを見る価値あり。

 

さらに、最後まで魅力たっぷりだった作画。

毎話スクショしたくなるような魅力的な画作りが素晴らしく、見せ場のヒールシーンはもちろんですが、日常部分も記憶に残るような画が毎回現れます。

話の内容を見る限り、おそらくかなり前からしっかり準備された作品なのでしょう。

その準備期間に見合った素晴らしい作画も注目ポイントです。

 

もちろん作品の作りとしても素晴らしい。

「歌って治療をするRPGのヒールを、現代でやるとしたら?」という大胆な設定にも関わらず、ヒール1本で終わらせるのではなく現代医療もある上での話という、作るのに難しいであろうお話づくりを12話をかけてやり切った作品でした。

さらに、その話だけでも描き切れば12話埋められそうにも関わらず、各キャラクターの話をしっかり掘り下げ、そして魅力的に描き切ったのも素晴らしい。

終わった時にはメインキャラクター全員を好きになれる、そんな作品です。

 

基本的に1話20分の12話でオチまで描き切らないといけないオリジナルアニメにおいて、ここまでしっかり設定と物語、そしてキャラクターを描き切るのは難しいお仕事だと思います。

その面で見ても、どれも高レベルに描き切ったこの作品はもっと評価されるべきだと思います。

 

ということで、まずは『ヒーラー・ガール』の紹介でした。

そしてここからはネタバレありの感想を解禁。

ここまで見て未見の人がいたらあまりに嬉しいので、1話を試し見してみましょう!!!!!

んでヒールされましょう!!!!!!!!!!

■Amazon1話リンク

https://amzn.to/3Ieslyl























いやーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー、玲美ちゃん回大好き(8話)。

マジでこの回は素晴らしかった。

 

とか思ってたらそれを12話(最終話)が綺麗に抜いていった。

まさに理想的な「この回は超えられないでしょー」を超えていく作品で、もう満足。

 

まず8話のテーマ、めっちゃ好きなんですよ。

夢を後押しした責任という。

最初は後押しをしたいという気持ちが、段々と後押しをしなければならないという鎖になっていく展開。

葵さんの「メイド服」という服装も、”自分の役割を縛る”という無意識の選択なのかなという解釈を思いついてまた悶絶。

 

この回何が好きかって、お互いのことを思うが故のすれ違い。

葵さんが玲美の夢を守るために責任を果たそうとしすぎ、逆に玲美が葵さんの夢を諦めさせないために嘘をつく。

決して悪意が混ざらずにすれ違う描写が素晴らしかったです。

 

あと何がよかったって、葵さんを送った後の玲美ちゃん(役の演技)なのよ……

しゃべる前に深く息を吸ってから話すというのが、まさに泣くのを我慢して、無理して明るく振舞っている挙動なんですよ。

それを見逃さず、ちゃんと隣に寄り添う響とかなの2人。

この3人が一緒でよかったねということがビシビシ伝わってくる最高のシーンでした。

 

あとね、この回の最後。

葵さんが色々あって戻ってくる展開。

賛否両論だったらしいんですが、僕は賛側の人間なのです。

だって、彼女たちの問題はお互いが自立した時点で解決したのです。

だからCパートで合流したとしても、もう以前のお互い、ある意味依存した2人ではなく、新しい関係性になった2人なのでたとえ一緒に暮らし続けても同じ問題は発生しないんです。

だから、あの終わりでよかったと思うのです。

 

なにより、それまで必ず敬語を使っていた葵さんが最後の最後だけ、「ただいま」と口調が砕けるんですよ。

もうね、マジでね、これがね……(語彙力)

これはぜひみんな見返してほしい。

そしてこの尊さを誰か言葉にしてほしい(他人任せ)(感想ブログやないんか)(はいそうですごめんなさい)

 

語り切れてなかったけど、和解後のヒールシーン(この回ではヒールしてない)の回想、泣いちゃいましたよね。

2022年春アニメで初めて泣いたのがこのシーン。

親からも理解されないヒーラーへの道。

それを守ったのは葵さん。

守ったことで縛られる葵さん。

そのことを後ろめたく思う玲美ちゃん。

そんなことないよ、と言うように歌詞に対して首を振る葵さん。

そこからの回想がね……(思い出し号泣)

親から理解されず、葵さんと玲美ちゃんの2人で歩んできた道は、いつしか何人もの仲間とともに歩く道に変わっていくんですよ。

もうね……(再び号泣)

んでその後の玲美ちゃん号泣シーンでまたウルっと来たところにEDですよ。

www.youtube.com

2人っきりだった玲美ちゃんに響とかなという理解者であり、仲間ができたという事がジーンとしみわたってきて、また泣きました。

もう本当に最高でした。

 

そんな8話を超えていったのが最終回。

これまでの積み重ねを感じさせる前半、そしてかなが大丈夫か確かめるためにアメリカへ行くことを秒で決断する2人、帰り際にかなの幼少期がフラッシュバックする急病人、最後にカーテンコールのようなOPフルで〆。

これを20分で描き切ったのがまず凄い。

 

ヒーラー・ガールってマジでテンポがいいんですわ。

サクサク進むから見ていて飽きないし、展開もどんどん進む。

そのうえで大事なヒールシーンはしっかり時間を使って書き込む。

その良さの集大成が最終回だと思います。

 

で、この最終回でも一番ぐっと来たのが玲美ちゃん。

俺、玲美のことが好きなのかもしれん……

 

前半に髪を切ったことが明かされ、理由について「師匠を真似するのをやめたから」という、ここでも独り立ちをしたことが明かされ、成長したなぁと感慨深かったのですが、最高だったのが飛行機内でのヒールシーン。

真似するのをやめた玲美ちゃんが、ヒールシーンで昔の師匠に重なるんです。

髪色が金色だったのって、そういう……コト!?

 

いや本当にエモいんですわあのシーン。

師匠から離れたことで、逆に師匠に近づいたというのがね、素敵だなぁと。

歌声も合わさって、ここでも泣いちゃった!

12話を重ねたからこその感動だと思いました。

 

そこに輪をかけていい……と思わせてくれたのが師匠がヒーラーを一生の仕事にすることに決めたきっかけが、かなを飛行機内で助けたということ。

かなが、師匠の人生を決めたんですよ……

そのかなが、同じシチュエーションで人を助けるんですよ。

心にきますよね、いい意味で。

 

ここまででお腹いっぱいの大満足な最終回でしたが、それを傑作に押し上げたのが最後のOPフル。

www.youtube.com

完全にカーテンコールじゃん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

今まで関わってきた人たちがみんな写り、そしてメインキャストがみんなの前で歌う。

ミュージカルなどの劇で一番好きなところなんです。

カーテンコールのある作品は傑作。

皆覚えておくように。

 

他にも書きたいこと(フラグを立てまくって全部折る師匠回とか)がいっぱいあるんですが、そろそろニコニコ生放送の全話一挙放送が終わりそうなので一旦ここで筆をおきます。

 

絶対すぐに追記するので、見てくれよな!

というかその前にまた全話見返してからきてくれよな!!

 

■音楽

・TVアニメ『ヒーラー・ガール』OP/EDテーマシングル「Feel You, Heal You / Believe like Singing.」/ヒーラー・ガールズ

https://amzn.to/3OF9csV

・TVアニメ『ヒーラー・ガール』劇中歌アルバム「Singin' in a Tender Tone」

https://amzn.to/3UE7ZFV

・TVアニメ『ヒーラー・ガール』オリジナルサウンドトラック/高橋 諒

https://amzn.to/3wcXe3i

 

■円盤

・ヒーラー・ガール Blu-ray BOX 上巻

https://amzn.to/42BzzWm

 

サムネイル画像

©Healer Girl Project